IT化・DX化は業務改善の手段
IT・DX化
IT化・DX化の意義
自社の年齢層を見渡すと、中高年に偏りがあり会社と若手が多数を占める会社、そしてバランスよく配置された会社があります。ただ少なくとも年代や時期により採用にバラツキがあったというケースがほとんどで、バランスが良くといっても、年代による偏りがあることは否めないと言ってよいと思われます。
直近の状況を見ると、Chat-GPTの出現始め、AIの普及、そしてコロナ化を機に、一気にデジタル化が加速して、ペーパーレスというよりもデフォルト(初期状況)としては、デジタルでの情報共有というのが当たり前になっています。
ただ、あくまでそれはツール(手段)の問題であり、ビジネスの本質は、その知見をいかにして最大に生かすかにかかっており、知見を効率的に生かす手段として、IT化・DX化があるという位置関係であることは再認識しておく必要があります。そうでないとビジネスの本質が見失われてしまいます。
目的は業務改善にあり
例えば、「社内で発生したトラブルや社外クレームは一早く共有するためにIT化・DX化を推進しましょう」といったら、どうするでしょうか?まず、社内でサイボウズやデスクネッツなどのグループウェアでスケジュール管理や会議室の予約管理をします。
次にセールスフォースやkintoneなどを使って営業情報やプロジェクト情報その他さまざまなビジネス情報を共有する‥といったアクションを起こします。今だとクラウド利用で初期投資を抑えた導入が可能になります。
しかし、それは単に各人の情報共有のツールがつながっただけで、共有情報を生かすアクションを起こすことにこそ本質があります。情報をどのように分析評価して生かすか、漏れない情報共有のために、どのようなルールを作り、どのように運用し、モニタリングをかけたら、最大の効率性を担保できるか、つまり業務改善の「質」向上の問題があります。
チェックすべきは社員のIT成熟度
IT化・DX化をビジネスの業務活動に生かすために大きな障害になるのが、社員間のITリテラシィ(成熟度)です。もっと言えば、「ITへの成熟度が低い人はダメだ」と言った誤った判断をしてしまいがちです。
ITの成熟度は一つの能力の指標にすぎず、業務の知見そして、判断力、創造力、実行力、判断力など、様々のフェーズの総合点でビジネス総合力の評価は決まってきます。その意味では、ITに弱点のあるとりわけ中高年層の「プライドも保ちつつ」IT化・DX化のツールの導入を進めていくことは極めて重要なことです。
ITツールの導入にあたっては、概して「デジタル世代は呑みこみが早い」と理解することです。そして、若手は中高年に対し、「そんなこともわからない、できないのか」と言い切らず、一方で、中高年は、「若い人にITについては謙虚に学ぶ」姿勢が重要です。その世代間コミュニケーションが一番大事です。
現状調査⇒⇒しくみづくり⇒運用・改善
ビジネスの効率化や有効性の高いIT導入は次のようなステップで進めていきましょう。
➀現状調査
現状の業務フローの中でどこが効率化のボトルネック(遅延の原因を作るプロセス)になっているかを知り、現状どのような遅延や問題が発生し、課題は何かを知ります。
②しくみづくり
最終的にどの程度の効率化を果たしたいか、その際、現有社員のIT成熟度からみて現実的に達成可能かといった判断の元、達成レベルを決定する必要があります。そして、その達成レベルに到達するためにどのくらいの時間と費用とプロジェクト体制を構築して実行すべきかを決定します。
③運用と改善
業務改善が目に見えることを目的として、IT化・DX化のしくみを作って運用し、予定レベルの成果が出ているかをモニタリングします。成果をあせるのではなく、IT化・DX化を一歩ずつ着実に進めることです。