外注選定の誤り・選定されない誤り
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「外注選定」と価格
外注業者を選定して、業務を進めるというケースが多くあります。以前に比べると、外注購買する側も「主観的な」思い込みで業者に惚れ込んで選定するケースは少なくなり、相見積という複数社への見積・提案という手続きを経て、外注選定するケースが通常となっています。
これは、複数社を比べて選定するという意味では、「客観性」があり重要な手続きと言えます。その際に、通常であれば、見積と提案を合わせてしてもらい、その提案内容に対して、見積額を比較するという手続きを行います。
この場合に犯しがち誤りは、「価格」が安い業者にどうしても目が行くということ、更に「価格」がなぜ安いか理解できておらず、提案内容の比較ができる目利き力がなく、「外注選定」の誤りを起こす。逆に提案する側では、事情が分かるだけに良い提案を高く見積して選定されない誤りを起こしがちです。
外注選定の誤り
中小企業の場合、従前は、社長の決済権限が強く、社長の「つるの一声」で外注選定も行っているケースが多い傾向がありました。これは、社長の「経験・感・度胸」に頼っており、簡単に言えば、「客観性」に欠ける判断という面は否定できません。
最近は、いわゆる「合議制」という形をとって、役員会で決定するなど、違った立場や場合によっては年齢やジェンダーを問わず、ダイバーシティー(多様性)の価値観を生かして、合議で決めるケースも増え、バランスのいい判断が出せる選定プロセスを取られています。
この場合に陥りやすいのは、“提案内容”が目利きできず、費用対効果(コスパ)が読めないために、選定の基準を「価格」において失敗するというケースが多くあります。昔からよく言う「安物買い」の銭失いであり、「手を抜く、レベルが低い」外注を選定してしまう誤りは避ける必要があります。
外注業者の「選定されない誤り」
次に外注業者として、提案と見積を出す場合に起こしがちな過ちは、事情がわかるだけに、「これだけ手間をかければ、良い製品やサービスを提供できます。これはプロとしてお勧めします。」といって、いわば、“何が良いか、その道のプロとしてわかっている”だけに、素晴らしい提案を「高く」見積して提出してしまう過ちを犯し勝ちです。
この場合には、提案の良さをプロでない人にきちんと理解してもらう、いわば「目線を落として説明する」という手続きを行っていないことに過ちの原因があります。つまり、「何がよいか、費用に見合う効用がなぜあるか」の説明がないために、理解されず、単に「高い」と片付けられ、「選定されない」という憂き目にあいます。
そこでいうセリフは、「何がいいかお客様はわかっていないんだ」と。
お客様の理解以前に、お客様の理解を得なかった自らの説明責任を問う必要があります。
見積サイトの落とし穴と説明の重要性
最近、インターネットでの購買が増え、顔の見えないネット上では、価格が基準になるということは当然あります。あなたが、アマゾンや楽天で物を買う時でも価格に目が行くには自然なことです。価格とは、次のようなバリエーションがあります。
➀ 品質や機能に比例して価格が高くなる
② 同じ品質や機能なのに価格は高低ばらばら
③ ➀と同じ状況でも見た目では違いが不明。
➀ や②なら、安いものを選ぶ選択もありです。
しかし、③のように一見して、違いが判らない場合に、選定側はどのように「目利き」するか、選定される側はどのようによいか「理解してもらう」努力が必要であると言えます。
重要事項は役員会で多数決・・一見するとベストな選定のようですが、役員の中に提案が認識できない方が多数いれば、選定のミスを犯します。一方で、選定される側はお客様の理解の目線を大事しないと選定されません。