中小企業DX化コンサルティング事例
IT・DX化
人材育成
今こそ経営改善の時
コロナ禍も新型コロナウィルスの5類移行以後落ち着きをみせ、観光地や街にも以前の賑わいが戻ってきました。
その意味では、「景気はよくなってきている」とはいうものの、仕入価格を含めた、物価の値上がりも沈静化せず、中小企業の先行きは不透明と言えます。
今回は、他中小企業がどのように経営改善を図って、これからの厳しい時代に経営基盤強化を行っているか、最近の具体的な「中小企業のDX化コンサルティング事例」からご紹介していきます。
【今回事例中小企業の概要】
業種 | 建築リフォーム業 |
所在地 | 関東某県 |
売上規模 | 年間売上10億 |
従業員数 | 25名 |
経営課題 | 営業偏重、管理不在、教育模索 |
5年後目標 | 専務(長男)へ事業承継 |
【コンサルティングテーマ】
案件管理・案件原価管理を「見える化・システム化」する
【使用システム】
どっと原価NEOクラウド(建設ドットウェブ社)
【コンサル期間】
3か月(2023年4月~6月)
【コンサル方法】
月2~3回リモート指導+月1回訪問指導
【3か月間での到達目標点】
若手を指導役にシステム嫌いの中高年を含めた全社員でのシステム運用
第1ステージ<調査・計画>
➀ まず、現状調査として、「エクセルを使った管理によるミスが多発している」という課題があり、管理帳票の課題の抽出を行いました。
② この現状に対し、導入するシステムを検討しました。DX化にあたっては、会社の規模感・パソコンの操作レベルなどから、当社のレベル感に見合ったシステムを選定しました。
③ 「見える化・システム化」実現のプロジェクトチームを社内に立上げ、社内チームリーダーと若手から選抜してDX推進リーダーを選任しました。チームリーダーの役割はプロジェクトの進捗管理が中心で、DX推進リーダーは、ゲーム世代でPC操作に抵抗がない20代の若手社員を選任しました。
④ プロジェクトチームが決まった所で、3か月間の月毎コンサルティングスケジュールを策定し、経営者ならびにプロジェクトチームと合意しました。
第2ステージ<しくみづくり>
➀ 現在使用している見積項目を確認し、全体の体系化を図りました。
② 当社のシステムの入力ルールとして、負担軽減も意識し、通常規模案件と小案件の管理入力基準を区分して決定しました。小案件について負担を軽くすることが目的です。
③ システムの基本となる項目のマスター登録を行いました。
※マスター登録とは、発注者、仕入業者、社員、案件見積区分、見積項目等のシステムの基本となるデータベースづくりのことです。
④ これらの作業が終わったら、実際に案件の入力により課題のチェックと事前修正を行いました。
第3ステージ<社員教育>
➀ 選任した推進リーダー(20代若手社員)にシステムを先行教育してリーダーとしての役割を果たせるスキルを身に着けてもらいました。
② 社員全員参加でキックオフミーティングとして、システム概要・メリット・できる事の説明会を行いました。
③ 社員を2チームに分け、Aチームである「システム好き・抵抗なしチーム」に対し、先行してシステム指導を行いました。
④ 次にBチームとして、「システム苦手・抵抗ありチーム」に対し、じっくり時間をかけて指導を行いました。
第4ステージ<運用・定着>
➀ システム入力・運用定着を推進するため、プロジェクトチーム・推進リーダーと連携して入力教育を推進しました。
② 運用進捗表を作成して、個人毎見積・予算・注文・支払入力状況のチェックを継続的に行いました。
③ それでも皆と遅れがでてしまう社員のサポートにつき、推進リーダーを中心に手取り足取りの教育を行いました。
④ システムへのデータ入力がほぼなされるようになったことで、システムより案件管理表出力を行いました。これにより案件ごとの利益状況が見える化されるようになりました。
まとめ
<成果>
➀ 全員運用、全案件システム入力が実現したこと。
② 案件別利益管理表、月別利益達成状況等をシステムから出力され「見える化」が実現しました。
<反省点>
同時期に資金管理・営業管理を同時並行でコンサルしていたことで課題が残りました。
⇒ 一点集中型のコンサルが望ましいことがわかりました。
<残された課題>
➀ コンサル指導が終了した時、自立的に管理運営できる事が課題の一つです。
② システムデータの活用により、分析・利益対策ができる事を目指すのが次の課題です。
コンサルティング費用【参考】
月34.5万円✕3か月=103.5万円(税抜・管理費共、交通費別)
本日はリアルなコンサルティング事例をご紹介しました。自社に通じる面があれば、検討・対策してみて下さい。
中小企業でも管理構築・DX化は避けられない時代になってきています。