中小企業が知っておくべき環境対策の基礎知識
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中小企業に環境への取組が必要な理由
去年の夏は真夏日が続き、暑く長い夏でした。これは、地球温暖化の影響の一つです。
人為的な活動による温室効果ガスの排出が増加することが原因とされています。
具体的には、
①二酸化炭素の放出
産業活動、化石燃料の燃焼により大量の二酸化炭素が大気中に放出し、地球の温度を上昇させる。
②メタンおよび一酸化二窒素の排出:
農業活動、特に家畜の消化過程、堆肥の分解によりメタンが発生し、化学肥料の使用や焼畑の一酸化二窒素が温室効果ガスとなる。
③森林伐採
森林伐採で樹木が失われ、CO2の吸収が減少します。
④産業プロセスの変化
工業プロセスやエネルギー生産の際の排ガスが温室効果ガスの放出源となる等の理由によります。
地球環境を守る事は今や人類そして企業の責任であり、環境対策を意識して企業活動を行うことは、中小企業にも例外ではなく、対応しないと市場から退出を求められます。
中小企業が取組むべき環境対策
昔から環境のキーワードとして重要なのは、「紙・ゴミ・電気」と言われています。
紙
資源消費と森林伐採: 紙の生産には木材が必要で森林伐採を引き起こします。つまり、紙を消費すれば、森林破壊につながり、地球温暖化を促進します。紙消費削減には、紙のリサイクルの重要な役割を果たします。
ごみ
リサイクルを促進し、廃棄物の最終処分を減少すれば、資源の有効活用が可能です。ゴミが増えれば、埋め立て地や焼却施設に送られ、環境に悪影響があります。包装を削減し、また再利用、再使用可能な素材利用でゴミは大きく削減できます。
電気
電気の生成に使用されるエネルギー源によって、環境への影響が異なります。再生可能エネルギー源(太陽光、風力、水力など)の利用は温室効果ガスの排出を削減できます。即ち、「紙、ごみ、電気」の削減は、中小企業にとって取組やすいテーマといえます。
環境法令の基礎知識の重要性
環境対策に関連する法令を「環境法」といいます。たとえば「環境法」の一つである「廃棄物処理法」を企業として遵守することは、環境に有益な「リデュース(減量)、リユース(再使用)、リサイクル(再生)」のいわゆる3Rの実現につながり、結果的に廃棄物の削減に寄与します。
廃棄物処理法では、事業所内で廃棄物を排出する前に仮置きする場合に60センチ角以上の表示をつけて、種類の違う廃棄物を分別しておくことや、囲いをして識別できるようにしておくことが定められています。
また、排出にあたっては、廃棄物処理委託を許可業者と契約して、収集運搬、中間処理、最終処分を行い、マニフェストと呼ばれる処理伝票を最終処分業者の捺印をもらって照合確認しておくことなどが定められています。
環境法に従って、環境影響を左右する環境側面(要素)を取り扱うことが、あらゆる業種にとって、環境対策の第一歩となります。
環境対策=品質・コスト・顧客に有益
たとえば、トラックが高速道路を走るとき、急いで運ぶために、80km/hの制限を守らないことが実は、
①燃料の過剰消費につながり、②事故のリスクを増やし、③結果お客様に迷惑がかかったり、④コストアップにつながる
ということはイメージできると思います。つまり、「急がば回れ」であり、環境対策を考えることは、お客様に安心してモノを届けるためにサービス品質や製品品質を保ちます。
そして、無理に速度を上げることで、燃料を非効率に消費し、結果的にコストアップにつながります。さらに、燃料の消費は、様々なトラブルの引き金になり、お客様の安心安全を阻害して、お客様の満足にはつながらなくなります。
中小企業の環境対策は、一見、「余計な手間」のようですが、これにより自分たちの周囲の美化環境や5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)も改善され、課題が見えます。
中小企業の環境対策の積極的な取組みをお勧めします。