コンサル事例:導入済システムの活性化コンサル
IT・DX化
人材育成
利益改善
業務改善
組織強化
コンサル事例
地方の年間売上8億円の測量・建設コンサルタント業(土木設計等)のケース
経営の悩み
社長は、『生産性向上のカギは、IT化にあり』と考え、従前よりそれぞれのパソコンで銘々にエクセル等を活用して作成して提出していた受注案件の予算書(実行予算)を“標準化”したいと考えておりました。
そして、5年前に原価管理システムをリースで導入しました。ところが、システム導入したものの「導入すること」自体に重きを置きすぎ、「活用」のための教育訓練や活用のしくみづくりを疎かにしていました。
そのため、システムは単なる集計のツールになり、
➀本来そのシステムの持つデータベースの活用
②入力した実績データと計画の差異の原因分析
などができていませんでした。
システムを生かせば、簡単にできる機能を使えないまま、システムが高価な『無用の長物』に近い状態が続き、ずっと社長の悩みの種となっていました。
現状調査・課題抽出
私達は、会社様がシステムをどのように使っているか、社長、事業部長、そして担当者それぞれにヒアリングし、またシステムの使い方の現状の詳細を見せてもらいました。
すると、次のような状況が分かりました。
同じ内容を別名称で入力
経費欄で、「ガソリン」と表現する場合と、「燃料」と表現して同じ項目を指すなど、システムが『清書ツール』にしかなっていませんでした。
見積の分類が人それぞれ
分類を「材料・労務・外注・経費」としている一方、「材料費・労務費・外注経費」として、分類が標準化されていませんでした。
類似案件見積しをその度に一から作成
以前と全く同一項目の案件があっても分類項目が再利用されず、その度に時間をロスしていました。
類似案件の利益率等が参考にできない
案件カテゴリーが設定されないために過去案件利益率等が参照できず、改善に活用できずにいました。
解決の方向性を定める
案件カテゴリー設定と項目マスター登録
➀同カテゴリーの案件の利益実績等のデータとして活用できるように、頻出する案件カテゴリーをリストアップし、これらの見積分類を大項目―中項目―小項目として体系化しました。
②自社見積書の頻出項目の「呼称」や「単位」を統一し、コード番号を体系化しました。すると、コード体系や名称の一部を「検索ワード」に利用する事で項目の検索が容易にできました。
システム活用のリセット準備
➀そもそも案件の見積段階から契約⇒予算書作成⇒業務実施段階⇒予算管理に至るまでの業務フローの手順を確認しました。
②そして、どの段階で「誰が」システムの入力内容を「企画し、入力する」かをヒアリングの上確認して書き出し、業務フロー表として書き出して、業務マニュアルを確立しました。
③各段階のシステム入力等の担当者が確実に入力するための個別の教育訓練を実施しました。
導入意義の周知徹底キックオフ
これまで生かされなかったシステムを悔やんでも意味がありません。
大事なのはこれからですから、まず「システム活用に向けたキックオフ」を実施しました。
システム導入の意義「生産性向上による省力化の達成等」を関係者全員で理解する
ただ、「高いシステムを入れたから必ず使うように!」と言っても「それ会社の事情でしょう!」と思われて、誰にも響きません。
そこで、「使い方を覚えるのはちょっと苦労するかも、でもサポートしますから大丈夫。できちゃえば、楽になりますよ。」と安心と期待を抱ける言い方で納得していただきました。
「操作に慣れてしまえば、以前の業務を活用できるし、改善目標も分かるのでモチベーションも上がります」と説明し、共感を得ました。
共感を得たら全員で構築をやり切る
まず、キックオフを実施し、意義を理解してもらいました。
そして、次は
「決めたことを必ず行う」
「ちゃんとできているかモニタリングする」
「責任者は全員の達成状況を把握し、全員ができるまで確認する」
を実践しました。
成功の秘訣は『決めた事をやり切ること』でした。