コンサル事例: 管理業務マニュアル構築
業務改善
組織強化
1.コンサル事例
(1)製品販売に合わせて取付工事を引受
関東・東北を中心に、設備機器・電材・キッチンバス等の什器備品など幅広い建築設備商材を扱う都内の年間500億円超の商社のケース。製品販売の際、取付工事も合わせて依頼されるケースが年々増えてきています。
(2)外注依存の取付工事
元々、エリア単位の営業支店体制を敷いて、製品販売の際の取付工事も各エリアの営業支店が、工事の下請け依頼先を持って対応してきました。製品販売のためには、顧客ニーズに応えるうる「取付工事」は外注に頼らざるを得ないものの、販売促進には欠くべからざるサービス提供でした。
(3)工事の実態は下請け任せ
そうは言え、営業マン中心の商社である当社にとって、工事は下請けに頼らざる得ず、納期や原価面ではなんとか管理できるものの品質や安全また廃棄物処理の廃掃法や建設業法、安衛法の対応などは、下請け任せでした。そんな中、クレーン付トラックが転倒し、監督署の是正勧告を受ける労災事故が発生しました。
2.自社でできないことをコンサルに
(1)当面の処置だけでは再発防止につながらない
下請けによる工事とは言え、労災事故を起こせば、元請である当社の責任であり、労災も元請である当社の労災保険が適用になります。事故発生に対する労基署による是正勧告への対応や労災適用はこの事故に対する対応に過ぎず、今後の事故発生を防止する保証には当然なり得ません。
(2)支店間で管理の温度差あり
担当常務は、各地に展開している各営業支店の安全管理の現状を把握できていませんでした。そして、安全管理の方法も各営業支店任せで、標準化はおろか、下請け任せになっている営業支店もあり、管理度合の温度差が激しいというのが実情でした。
(3)専門家に任せるということ
常務は考えました。「安全管理を全社標準化しないと。そしてガイドラインに沿って一律に管理する。これだ!」当社Vコンサルを訪ねるまで何社も当たったそうです。結局、管理構築、安全管理構築キャリアなどから規模よりその期待感から当社に依頼されました。
3.現状調査とフレーム構築
(1)自社独自でできない時のコンサル頼み
常務は、「これまで自社だけでできなかったわけだから、外部の専門家に頼むに限る」との考えからの依頼であったとのことです。
(2)管理構築の戦略をつくる
私たちは、3カ月の期間を区切って、管理業務マニュアル構築のコンサルスケジュールを組みました。まずは、現状調査です。各営業支店がどのような方法で、またどのような書類を作成して、現場安全管理を実行しているかを調査し、その実施項目をカテゴリー毎に分類しました。
①安全管理の基本(例えば朝の危険予知(KY)ミーティングや安全巡視とその是正など)に抜けがないか、
②営業支店によっては安全管理書類が客先の法人の指導を受け充実し、そのまま社内展開できるものはないか。
などの分析を実施しました。
(3)管理業務マニュアルのフレーム作り
そして、管理業務マニュアルとして、国が推奨する基本的な構成の目次をベースにし、当社の安全管理方針や管理目標を軸に管理ガイドラインのフレーム構築をして客先の承認をいただきました。
4.実態にあった管理構築とその運用
(1)実態にあった管理構築が肝
ただし、管理業務マニュアルのフレームは、全体構成でしかなく、必要な屋台骨ですが、これだけで事故防止を図れる管理ツールにはなりません。
(2)優先度の高い項目を管理する
要は、どのような種類の工事が多いのか、危険を伴う工事はどの種別の工事かなど、管理のプライオリティ(優先度)の高い工事種類を選び出します。
高所での墜落の危険のある工事
高圧電気を扱う工事
第三者に危害が及ぶ工事等
(3)重点志向の管理
これらの工事フローとその際の安全管理フローを実際の現場の管理者にヒアリングして、その安全上のポイントを引き出して網羅するという「重点工事管理フロー」を作成したのです。
(4)管理のフレームから運用定着まで意識した構築
こうして、安全管理業務マニュアルを構築し、安全管理方針、日常安全管理の基本事項の決定(KYM、安全巡視等)そして重点工事管理フロー運用という管理業務マニュアルを構築しました。そして、運用定着という主要パートに入り、ニーズを実現したのです。
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