改善リストと真剣に向き合う
経営者皆さんのご自宅や社内の執務スペースには、必ず「書庫」があると思います。その書庫の活用の仕方は人さまざまかと思います。使いやすく、同じカテゴリーの本をまとめ使いやすく、戦略的に利用しているケースもあるかと思えば、「こんな本を持っています.。ただ、あまり読んでいません。」という『飾り』に近い「書庫」になっているケースも一方であります。つまり、「書庫」の活用の仕方に向き合い、「書庫」が生かされれば、自分の知的財産になることは間違いありません。
私たちコンサルタントが事業調査をして調査報告書を提出する場合、経営者の方の受け止め方は、下記の二つのパターンに大別できます。
(1)経営の改善課題の一つ一つと向き合って、現状を振り返り、その意味を知り、提案する解決策が実現できるかどうかを真剣に検討するケース。
(2)「良く短い時間でこんなところまで調べたものだね。」と感心するだけで、以後中身にはほとんど触れないケース。
この姿勢の違いが、それ以降の経営改善の成否に大きくかかわってきます。
端的にいえば、経営の改善課題を解決し、経営の向上(最終的には利益アップ)を目指すためには、(1)の姿勢が必要だということです。(2)の場合でも、しっかりしたNO.2がいることでうまくいく場合はあります。しかし、経営改善課題を「感覚的に」とらえ、その記事の意味を考え、分からない言葉を調べ、その記事の伝える意味を理解しようしないならば、経営改善が実行できたとしても最適化(もっとも利益が取れる改善)を達成することはできません。
経営改善をサポートする経営コンサルティングは次の5つのフェーズに分かれています。
(ステージ1)現状分析→
(ステージ2)改善課題の抽出→
(ステージ3)課題解決の方向性を出す→
(ステージ4)経営改善アクションプラン作り(具体的な改善策)→
(ステージ5)経営改善の実行支援
上記のステージ2における改善課題の抽出の際、私たちは必ず「改善課題リスト」を作成します。つまり、改善すべき課題をリストにするわけです。経営改善のためには専門家から見たこれらのリストが全て改善されれば、経営改善が達成され、これにより経営向上が実現できるわけです。すなわち、前記の(2)の「課題と向き合い、その解決策を真剣に考えようとしない」経営者が経営改善を達成できるはずはありません。
リストというのは大変便利なツールで、「どこにでもある」と軽々しく考えるにはあたりません。リストの評価は○か×しかなく、全ての項目に○がつかなければ、経営改善は終了しないことは明らかです。
ビジネスの現状を革新することを、率直皆さんが嫌がるケースが多いものです。面倒さを感じるようです。要は、現状のまま変わらずいたい、現状が変わることにより、気持ちの負荷を感じてしまうという向きが多いのです。
「うまくいっていること」に向き合っても何も改善されません。「うまくいっていないこと」と真剣に向きあって、その意味を考え、分からない言葉を調べ、その改善課題の伝える意味を理解することで道が開けるのです。会社の経営を向上させたいと思うならば、「改善リストと真剣に向き合う」ことが何よりも大切なのです。
以 上